MENU

用語集

内縁(ないえん) | 浮気・不倫・不貞・離婚の慰謝料の用語集

【定義】
内縁とは、夫婦として生活している社会的実体がありながら、婚姻届を提出していないために法律上の婚姻とはいえない関係のことです。
 
【解説】
 内縁関係が生じる理由としてはさまざまな事情がありますが、近年では意図的に選択するケースも目立つようになり、特にこのようなケースを事実婚とよぶこともあります。

 内縁として認められるためには単に同棲しているだけでは足りず、結婚式を挙げている、世間に対して互いを配偶者として扱っているなど、婚姻の意思が客観的に認められることが必要です。このような関係があれば、婚姻に準ずる関係(準婚関係)と考えられるので、法律上の婚姻の効果の一部が発生することが判例上認められています。

 具体的には、婚姻費用分担、不貞の場合の相手に対する慰謝料、不当破棄された場合の慰謝料、財産分与などの効果が内縁にも認められます。

 逆に認められない効果には次のようなものがあります。
①夫婦同氏。婚姻届をしない限り配偶者の姓に変更することはできません。

②子の嫡出性。法律上の夫婦ではない以上、子供が生まれると非嫡出子になります。
夫が認知して父親になることはできますが、親権は自動的には発生せず父母の協議で父親を親権者に定めることができるだけで、その場合母の親権はなくなるので共同親権ということがありえません。

③相続権。法律上の配偶者でない以上、相続権は生じません。ただし、相続人が誰もいない場合に特別縁故者として相続権が発生する場合があります。また、不動産の居住権については借地借家法36条の保護があるほか、無償使用の合意を認定するなどして判例上一定の保護が与えられています。
 
【関連用語】
非嫡出子
財産分与
親権
 
内縁にも一定の保護が与えられるため、法律婚でないからというだけで泣き寝入りする必要はありません。関係解消等でお悩みの際は弁護士へご相談ください。
 
【参考条文】
民法
(夫婦の氏)
第750条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
(婚姻費用の分担)

第760条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。
(財産分与)
第768条第1項 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
        第2項 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができない
          ときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時か
       ら2年を経過したときは、この限りでない。
        第3項 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮し
        て、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。
 
第819条第4項 父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。
 
(特別縁故者に対する相続財産の分与)
第958条の3第1項 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、
          被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者
               に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
       第2項 前項の請求は、第958条の期間の満了後3箇月以内にしなければならない。
 
借地借家法
(居住用建物の賃貸借の承継)
第36条第1項 居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をして
        いないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者
           は、建物の賃借人の権利義務を承継する。ただし、相続人なしに死亡したことを知った後1月以内に建物の
           賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
   第2項 前項本文の場合においては、建物の賃貸借関係に基づき生じた債権又は債務は、同項の規定により建物の
           賃借人の権利義務を承継した者に帰属する。

関連記事

任意認知(にんいにんち)

【定義】 任意認知とは、法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子(非嫡出子)について、子の父が、任意に、父子関係があることを認め、法律上の父子関係を成立させることをいいます。 【解説】 任意認知は、意思能力があれば、未成 … 続きを見る

嫡出否認の訴え(ちゃくしゅつひにんのうったえ)

【定義】 嫡出否認の訴えとは、嫡出推定される嫡出子との法律上の父子関係を、否認するための裁判手続きをいいます。 【解説】 ①妻が婚姻中に妊娠した子、または、②婚姻成立の日から200日経過後または婚姻の解消又は取り消しの日 … 続きを見る

嫡出子(ちゃくしゅつし)

【定義】 嫡出子とは、法律上の婚姻関係にある男女間に生まれた子のことをいいます。 【解説】 民法上、子は、法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた嫡出子と、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた非嫡出子に分類されていま … 続きを見る

名古屋駅徒歩4分 無料法律相談実施中