【定義】
弁護士費用とは、弁護士との委任契約に基づいて支払う対価のことです。
【解説】
かつては弁護士会が報酬基準を定め、弁護士はこれに従わなければならないこととされていましたが、現在は自由化され、法律事務所により異なった費用を定めてよいこととされています。ただし、その費用はあらかじめ事務所ごとの報酬基準により依頼者に対して明確に示されていなければなりません。
費用の詳細な内容は、多くの法律事務所がウェブサイトなどで公にしているほか、具体的な事件についても法律相談で尋ねれば教えてもらえます。現在でも多くの事務所がかつての弁護士会報酬基準をベースモデルとしており、事件処理に着手する際の着手金と依頼者の利益になる解決ができた際の報酬金とを別に請求すること、それぞれ事件による経済的利益の額に応じて割合的に定めることなどを基本としています。
たとえば300万円の慰謝料請求を依頼するとして、その法律事務所の報酬基準によれば着手金5%、報酬金10%と定められているならば、依頼した際に15万円を支払い、300万円全額の判決を得た際にはさらに30万円を支払う必要があります。
これらの弁護士費用は、基本的には依頼した者の負担となり、裁判で勝っても相手方に負担させることができません。例外的に、不法行為による損害賠償請求の際には一定の弁護士費用も相当因果関係のある損害と認められることがあります。その額は認容額の10%程度とされることが多いです。
弁護士費用については法律相談で十分説明を受け、納得してから依頼すべきです。着手金、報酬金のほかにも実費がかかる場合、日当・交通費がかかる場合について明確に説明してもらいましょう。