【定義】
別居とは、夫婦が別々の場所に生活している状態のことです。
【解説】
別居は、一方では夫婦の同居協力扶助義務に違反する行為であり、他方では婚姻生活の破綻を示す一要素です。
いずれの意味でも、住民票がどこにあるかは重要でなく、実質的な生活の本拠が別々であれば別居といいます。
民法752条は「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と定めており、これを夫婦の同居協力扶助義務といいます。したがって、夫婦の一方は他方に対して同居を求める権利を有しますが、この権利は性質上、強制執行ができないとされています。なお、同居していない状態では婚姻共同生活の費用を分担していないことも多く、別居状態の妻から夫に対して婚姻費用分担請求をするケースがよく見られます。
別居が長期間にわたると、もはや婚姻共同生活の存在自体が希薄になっていき、やがてはゼロと評価される状態になります。このような状態を婚姻関係の破綻といい、民法770条5号の離婚原因が認められます。どの程度の別居期間で破綻が認められるかは一概にはいえませんが、通常は3~4年以上の別居期間があれば認められる可能性が高いといえます。
有責配偶者からの離婚請求のケースでは判断が相当厳しくなりますが、近年の判例では8年で認めた事例があり、短縮化の傾向にあると言われます。
【関連用語】
・婚姻費用
・離婚原因
・有責配偶者
別居している状態で婚姻費用や離婚条件の話し合いをするのは精神的なストレスが大きいものです。無理をせず、弁護士を通した話し合いをするのをお勧めします。法律相談は初回30分無料です。お気軽にご利用ください。