戸籍謄本とは、1つの戸籍の全部を写したものをいいます。
戸籍謄本をコンピューター化したものを、戸籍全部事項証明書といいます。
戸籍は、日本国民・日本国籍を有する者が誕生してから死亡するまでの身分関係を登録した公簿であり、戸籍の戸主・
筆頭者を軸として、その配偶者と氏を同じくする子を一つの単位として編成されています。 つまり、1つの戸籍に、複数人の身分関係に関する情報が記載されていることになります。
例えば、ある男性を戸主として戸籍が編成されている場合、その1つの戸籍に、戸主本人の情報(氏名、生年月日、父母の氏名と続柄)と身分事項、戸主の妻の情報(氏名、生年月日、父母の氏名と続柄)と身分事項、子の情報(氏名、生年月日、父母の氏名と続柄)と身分事項が登録されています。
戸籍の原本(戸籍そのもの)は、本籍地がおかれている市区町村役場が管理しており、本人であっても取得することはできません。
その代り、戸籍の写し・コピーを取得することができます。
戸籍の写し・コピーには、その戸籍全部を写したものと、一部を写したものの2種類があり、1つの戸籍の全部のコピー、1つの戸籍に記録されている事項の全部を写したものを、戸籍謄本と呼びます。
先ほどの例でいくと、戸主本人、戸主の妻、その子の情報や身分関係すべてが記載されていることになります。戸籍は、制度自体はとても古く、以前は紙ベースで作成されていましたが、平成6年法務省令によって電子情報処理化(コンピューター化)が進められました。
戸籍の電算化により、戸籍謄本も呼び名が変わり、戸籍全部事項証明書と呼ばれるようになりました。
もっとも、「戸籍謄本」の名が長く使われてきて、広く浸透していることを理由に、電算化後も戸籍謄本の名を使用し続けている市区町村もありますし、戸籍謄本と戸籍事項全部証明書の名を併用している市区町村もあります。