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用語集

婚外子(こんがいし) | 浮気・不倫・不貞・離婚の慰謝料の用語集

【定義】
婚外子とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子のことです。非嫡出子ともいいます。
 
【解説】
事実婚の少ない日本では、海外と比べて婚外子の比率が少ないとされています。

婚外子が法的に嫡出子と異なる取扱いをされる主な点は、父子関係の発生は認知によるという点です。認知には任意認知(民法779条)と強制認知(同787条)があります。

任意認知は婚姻や離婚と同様に役所に認知届を提出することにより行います(同781条)。子供が成人している場合には、その承諾がなければ認知できません(同782条)。

強制認知は子供の側から父親に対して訴えを起こすものです。血縁関係が証明できれば裁判所により認知が認められます。父子関係が発生している場合、親権は父母の協議により父親に定めることもできます。

なお、母子関係は分娩により当然に生ずるとされており、認知は不要です。

父親に扶養・養育義務が生ずる点は嫡出子と同様です。したがって、たとえば別々に暮らしていて直接に家計の面倒を見てもらっていない場合、養育費の請求ができます。

また、相続権が生ずる点も嫡出子と同様です。かつて婚外子は嫡出子の相続分の2分の1と定められていましたが、平成25年に違憲判決が出たことを受けて嫡出子と平等に改正されました。

さらに戸籍の記載も、かつては嫡出子と区別して「男」「女」と記載していたのを改めて、
「長男、二男・・」「長女、二女・・」と記載されるようになりました。
 
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【参考条文】
民法
(認知)
第779条 嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。
 
(認知能力)
第780条 認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、
その法定代理人の同意を要しない。
 
(認知の方式)

第781条第1項 認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。
第2項 認知は、遺言によっても、することができる。
 
(成年の子の認知)
第782条 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。
 
(胎児又は死亡した子の認知)
第783条第1項 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、
母の承諾を得なければならない。

第2項 父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。
この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。
 
(認知の効力)
第784条 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。
ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。
 
(認知の取消しの禁止)
第785条 認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。
 
(認知に対する反対の事実の主張)
第786条 子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。
 
(認知の訴え)
第787条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。
ただし、父又は母の死亡の日から3年を経過したときは、この限りでない。
 
(認知後の子の監護に関する事項の定め等)
第788条 第766条の規定は、父が認知する場合について準用する。
 
(準正)
第789条第1項 父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。
第2項 婚姻中父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得する。
第3項 前2項の規定は、子が既に死亡していた場合について準用する。
 
(法定相続分)
第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、
  直系尊属の相続分は、3分の1とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、
  兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。
  ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

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