【定義】
姦通罪とは、配偶者のある者が別の異性と性交することで成立する犯罪ですが、現在の日本には存在しません。
【解説】
戦前までは刑法に姦通罪が存在しましたが、女性側の姦通とその相手となった男性のみが処罰されるという不平等なものでした。
民法もそれを受けて、女性側の姦通はつねに離婚原因となるが、男性側の姦通は姦通の相手として処罰された場合に限り離婚原因とされていました。戦後に現在の日本国憲法が制定され、「両性の本質的平等」が憲法上の基本理念としてうたわれることとなり、これらの法制は男女平等に反して違憲であることになったため、削除されました。
現在では、姦通は犯罪とはなりませんが、離婚原因ではあります。離婚原因としては、男女平等にどちらの姦通も「不貞な行為」(民法770条1項1号)に当たることになります。
また、姦通の相手方に対しては貞操権侵害として慰謝料を請求できる場合があります。
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【参考条文】
民法
(裁判上の離婚)
第770条第1項 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
第2項 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。