2つの点で交渉の余地を探るべきです。
①慰謝料の総額を減らせないか。
②分割払いに応じてもらえないか。
1.慰謝料の減額交渉のポイント
減額交渉に最も有効なのは、判例などの慰謝料の相場です。
一般的に、不貞によって離婚に至ったケースでは高くても300万円以下、婚姻を継続するケースでは100万円以下です。
「慰謝料の相場と比べて高すぎる」という指摘は、多くの場合、効果的です。
また、事案によっては相場より低い慰謝料が妥当なこともあります。不貞行為が一度だけであるなど関係が比較的浅い場合、不貞行為の発覚以前から夫婦関係が破綻に近い状態であった場合などは、原則として相場より低い慰謝料が妥当な事案といえます。
2.慰謝料を分割払いするには
まず、一括払いは資力的に不可能であるという事実を伝えます。そのうえで、何回払いならば応じてもらえるかという交渉をしていきます。
分割払いの場合、お金のやり取りをして終わりにできないので、相手にとっては将来本当に履行してもらえるのかが不安要素となり、その点にしっかり手当をしないと交渉の成立は難しいでしょう。場合によっては、公正証書でなければ分割払いに応じてもらえないこともあります。
公正証書では、分割払いを特定の回数(1回とすることもあります。)怠った場合、残り全額について強制執行されてもかまわないという一文を入れるのが一般的です。このような公正証書を作った場合、支払いを怠ると差押えなどの強制執行をされるおそれがありますので、注意が必要です。