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よくあるご質問

既婚女性を好きになってしまい、LINEのやり取りや食事をする関係を半年ほど続けてきました。キスまではしましたが、肉体関係はありません。女性の夫から慰謝料請求されたのですが、このような場合でも慰謝料の支払い義務があるのですか。

仮に裁判になった場合、慰謝料の支払い義務が認められる可能性はあります。ただ、慰謝料の金額は不貞行為があった場合と比べれば低くなります。

 

1.不貞行為とは

不貞行為とは、婚姻している者が、配偶者以外の者と性交渉をすることです。キスや体の接触だけでは不貞行為とはいえません。

不貞行為は他方配偶者の権利を侵害する不法行為であり、精神的苦痛に対する慰謝料の支払い義務が生じます。

どのような権利を侵害しているのかというと、昔は配偶者の性的関係を独占する権利(貞操を守らせる権利)と考えられていましたが、現在では夫婦共同生活の平穏の侵害でもあると考えられるようになり、むしろ後者が重要視されています。

 

2.不貞行為がない関係

夫婦共同生活の平穏の侵害ということに着目すると、不貞行為があれば明らかに侵害だといえますし、不貞行為がなくても、社会通念上不適切な男女関係であれば、夫婦共同生活の平穏の侵害となる場合が考えられます。そうなれば不貞行為がなくても不法行為を構成することになります。

どこから不法行為になるかの線引きは難しいですが、食事などのプライベートな時間の共有が連日多数回にわたったり、恋愛感情を互いに吐露したり、キスをしたなどの事情があると、不法行為と評価されやすくなります。

 

3.不貞行為がない場合の慰謝料

夫婦共同生活の平穏を侵害されて生じる損害は、財産上の損害ではなく、精神的苦痛です。不貞行為があった場合もなかった場合も、精神的苦痛の大きさに照らして、慰謝料の金額を決めることになります。そして、不貞行為がなかった場合には、あった場合と比較して精神的苦痛はかなり小さいと考えられるため、慰謝料の金額も低くなります。

 

4.不貞行為がないにもかかわらず不貞行為が認定されるケース

注意が必要なのは、実際には不貞行為がないのに、不貞行為があると主張されて、反証に失敗して不貞行為があると認定されてしまうケースです。そもそも不貞行為があることは慰謝料を請求する側が証拠を出さなければならないのですが、たとえば一緒にホテルに入った証拠、一泊旅行をした証拠などを出されると、不貞行為があった蓋然性が高いと判断されます。それに対して有効な反証ができなければ不貞行為ありと認定され、慰謝料の支払いを命じられる可能性があります。

 

5.まとめ

男女の関係の深さを軸にまとめてみます。
①親しいが常識の範囲内の付き合い → 慰謝料支払い義務なし
②度を越した不適切な男女関係(不貞はない) → 慰謝料支払い義務ありの可能性、ただし比較的少額
③不貞行為あり → 慰謝料支払い義務あり

ただし、裁判における立証の問題は別問題になります。

実際には②であっても、不貞行為がなされた蓋然性が高いと見られる証拠を出された場合、裁判では不貞行為ありと認定されて③と同じ結果になる可能性もありますのでご注意ください。

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