再婚禁止期間等の一般的な制約を除けば、まったく問題なく再婚できます。不貞行為に関して、慰謝料の支払義務を負いますが、再婚したことで新たな慰謝料の支払義務を負うことはないものと考えられます。
1.再婚に関する制約
民法上、婚姻・再婚に関しては以下のような制約があります。
①婚姻一般の制約
・婚姻適齢(満18歳以上)
・重婚禁止
・近親婚禁止
②再婚に関する制約
再婚禁止期間(女性のみ、前婚の取消・解消から100日間)
これらを満たしていれば婚姻は可能です。
2.再婚は新たな不法行為とならない
離婚成立後は元配偶者に対する貞操義務も元配偶者との婚姻共同生活も消滅しているのですから、誰と交際し誰と婚姻しても元配偶者に対する不法行為とはなりません。したがって、再婚したこと自体によって、元配偶者に対して新たに慰謝料の支払義務を負うことはありません。
もっとも、不貞行為に関する慰謝料の交渉中又は裁判中に再婚した場合、再婚に関する事情が慰謝料の金額に影響する可能性はあります。ただ、その場合でも再婚したこと自体がいわゆる慰謝料の増額事由として扱われることは考えにくく、過去の不貞関係の長さ、親密さ、継続性等を推認するための一事情となるにとどまると考えられます。