慰謝料問題が裁判とはどのような裁判なのか、裁判になった場合の進み方など、慰謝料請求と裁判について、基礎知識を解説します。
浮気・不倫・不貞などの慰謝料を請求する裁判とは
慰謝料請求の裁判は、「民事訴訟」と呼ばれる民事裁判です。
基本的には、浮気・不倫などされた方・被害者が原告となり、浮気・不倫をした当事者(加害者)を被告として、浮気・不倫という不法行為により精神的損害を被ったとして、その損害を賠償するための慰謝料の支払いを求める裁判です。
慰謝料請求裁判の進み方
基本的には、一般的な民事裁判と同様に進んで行きます。
裁判は、原告が訴訟提起すること、つまり、原告が地方裁判所(又は簡易裁判所)に訴状を提出することでスタートします。
裁判所は、訴状の審査を行ったうえで、被告に訴状を送ります。※1
裁判所が指定する裁判の日時に裁判が開かれ、当事者が出廷し、必要な主張や立証を行います。
裁判は、おおよそ1カ月から1カ月半に1回程度のペースで開かれ、主張や立証は、書面で、裁判と裁判の間の期間に提出するのが一般的です。
なお、裁判で当事者の代理人になれるのは弁護士のみであり、代理人弁護士が出廷する場合、当事者本人が裁判所に出廷する必要はありません。※2 ※3
複数回の裁判を経て、必要な主張や立証が尽くされたら、判決が言い渡され、裁判は終了します。判決によって裁判が終了した場合、言い渡された判決に不服があれば、控訴することが可能です。
慰謝料請求裁判の多くでは、判決の言い渡し前に、裁判所から和解の勧告があります。和解の勧めを受けて、裁判上で和解が成立した場合、判決によらないで裁判は終了になります。
※1 送達と呼ばれています。基本的に、被告の住所地に送られてきます。また、訴状には、多くの場合、最初の裁判の日時が記載され、同日時に裁判所へ出廷するようにとの呼出状が同封されています。
※2 請求額が140万円以下の民事訴訟を除きます。
※3 当事者に対する尋問が行われる日など、例外的に、代理人弁護士が出廷する場合であってもご本人様の出廷が必要になる場合があります。
離婚裁判と慰謝料請求
以上は、浮気・不倫・不貞などの慰謝料問題が単独で裁判になるケースを前提にした説明です。
これらとは別に、離婚裁判と併せて慰謝料請求されるケースもあります。
離婚裁判は、家庭裁判所で行われること、代理人は弁護士に限られること、離婚調停を先に経なければならないことなど、一般的な民事裁判とは異なる点がいくつかあります。