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用語集

審判離婚(しんぱんりこん) | 浮気・不倫・不貞・離婚の慰謝料の用語集

【定義】
審判離婚とは、家庭裁判所の審判で成立する離婚のことです。

【解説】
 離婚の問題は、日本では夫婦で話し合って決める形が原則となっています。
つまり、協議離婚が第一で、それがだめであれば裁判所での話し合いである調停離婚、それもだめなら離婚原因がある
場合に限り訴訟で強制的に離婚する裁判離婚、と進む制度になっています。
審判離婚は、訴訟とは別のルートとして用意されているわけではなく、調停が成立しない場合に例外的に裁判所が介入
して強制的に調停を終わらせることができる「調停に代わる審判」(家事事件手続法284条)の制度を利用され、その
結果離婚が成立した場合のことをいいます。数としてはかなり少ないものです。

 審判離婚が行われるケースは、たとえば離婚すること自体は合意できているが、子供との面会や財産分与、養育費
などの部分で双方の主張のわずかな差が縮まらない場合です。このようなケースで調停を不成立にするしかないと
すれば、改めて訴訟や審判をやり直さなければならず、時間も手間もかかります。そこで、裁判所の判断で、
それまでの調停手続きを生かしつつ事件に区切りをつけられるように「調停に代わる審判」の制度があります。

もちろん、当事者としては合意できないのであれば訴訟や本来の家事審判できちんと判断してもらいたいと望むかも
しれません。そのような場合には「調停に代わる審判」に対して2週間以内に異議を申し立てることで効力を失わせる
ことができます(同286条)。異議がなければ、「調停に代わる審判」は通常の審判と同様の効力(離婚の部分につい
ては確定判決と同様の効力)を持ちます(同287条)。

【関連用語】
協議離婚
調停離婚
・裁判離婚
家事調停
家事審判

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【参考条文】
家事事件手続法
(調停に代わる審判の対象及び要件)
第284条第1項 家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、
                         一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判(以下「調停に代わる審判」という。)
                         をすることができる。ただし、第二百七十七条第一項に規定する事項についての家事調停の手続において
                         は、この限りでない。

     第2項 家事調停の手続が調停委員会で行われている場合において、調停に代わる審判をするときは、家庭裁判所
                         は、その調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴かなければならない。
          第3項 家庭裁判所は、調停に代わる審判において、当事者に対し、子の引渡し又は金銭の支払その他の財産上の
                         給付その他の給付を命ずることができる。

(調停に代わる審判の特則)
第285条第1項 家事調停の申立ての取下げは、第二百七十三条第一項の規定にかかわらず、調停に代わる審判がされた後
                         は、することができない。
     第2項 調停に代わる審判の告知は、公示送達の方法によっては、することができない。
     第3項 調停に代わる審判を告知することができないときは、家庭裁判所は、これを取り消さなければならない。

(異議の申立て等)
第286第1項 当事者は、調停に代わる審判に対し、家庭裁判所に異議を申し立てることができる。
       第2項 第二百七十九条第二項から第四項までの規定は、前項の規定による異議の申立てについて準用する。
       第3項 家庭裁判所は、第一項の規定による異議の申立てが不適法であるときは、これを却下しなければならない。
       第4項 異議の申立人は、前項の規定により異議の申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。
       第5項 適法な異議の申立てがあったときは、調停に代わる審判は、その効力を失う。この場合においては、
                      家庭裁判所は、当事者に対し、その旨を通知しなければならない。
       第6項 当事者が前項の規定による通知を受けた日から二週間以内に家事調停の申立てがあった事件について訴えを
                      提起したときは、家事調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。
       第7項 第五項の規定により別表第二に掲げる事項についての調停に代わる審判が効力を失った場合には、家事調停
                      の申立ての時に、当該事項についての家事審判の申立てがあったものとみなす。
       第8項 当事者が、申立てに係る家事調停(離婚又は離縁についての家事調停を除く。)
                      の手続において、調停に代わる審判に服する旨の共同の申出をしたときは、第一項の規定は、適用しない。
       第9項 前項の共同の申出は、書面でしなければならない。
     第10項 当事者は、調停に代わる審判の告知前に限り、第八項の共同の申出を撤回することができる。
                      この場合においては、相手方の同意を得ることを要しない。

(調停に代わる審判の効力)
第287条 前条第一項の規定による異議の申立てがないとき、又は異議の申立てを却下する審判が確定したときは、別表第二に掲げる事項についての調停に代わる審判は確定した
第三十九条の規定による審判と同一の効力を、その余の調停に代わる審判は確定判決と同
一の効力を有する。

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